レター No.20「手」(2015年12月1日)

 個人的にですが、男性でも女性でも「手」が綺麗な人に惹かれます。指が長かったり、綺麗にマニュキュアをしてることではありません。
 先日あるホテルのフロントの男性の手の動きに目も心も釘付けされました。さすが一流ホテル。プロ意識の高さ、サービス品質の良さ、教育の高さ・・等々、何といっても一番はその担当者がとてもステキな方に思えました。「手」が人に与える印象は思いの外強いものです。

 「手」の動かし方一つでエネルギッシュにも、エレガントにも見せることができます。「手」は雄弁です。
 例えばセールス時、話し方が上手で正確に商品説明ができればその価値が充分に伝わり、お客様に納得していただけるでしょうか? 疑問です。その時のパンフレットの渡し方や、説明時の手の使い方、伝票を書いて頂く時のペンの渡し方、印鑑の授受等、セールス時の担当者の手の動きが、お客様の心を魅了していることに気が付いていない人が、意外にも多いです。
 接遇研修やマナー研修、セールス研修、営業研修の場で、いつも「指をしっかり伸ばして指先をきちんと揃えましょう」とやかましく言います。

 「白熱教室」という教養番組をご覧になったことはありますか? 
 哲学者で『これからの「正義」の話をしよう』の著者であるマイケル・サンデル教授が、ハーバード大学で行っている政治哲学の人気授業で、テレビ番組となって広く知られました。日本でもいくつかの大学を舞台にテーマを変えて授業が行われました。サンデル教授の講義の人気の理由は、勿論彼の話しぶりですが、もう一つは「手」の動きにあると思います。挙手した学生をあてる時も大きく腕を伸ばし、真正面に生徒と向き合ったり、両手を開いて驚きを表したりは、講義をライブ感溢れるものにしています。

 大げさな所作をするのではなく、指先を揃え、指がすっと伸びている。それだけでハッとします。オーバーな動きをするのではなく、“動と静”の手の一連の動きは“品格と心のゆとり”さえ感じさせてくれます。
 手を味方につけ、印象を良くしましょう。まずは、指を揃えましょう。

LOVE
植田亜津子

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