レターNo.98「美を見つめるまなざし」(2021年10月1日)

 何着ても うつくしくなる 月見かな(加賀千代女)

 女性らしい感性で詠んだ“加賀千代女”の俳句です。
 彼女が生きた江戸中期、お月見と言えば誰もが楽しみにしている行事であったと思われます。お月見の会に出かける日は「どの着物を着て行こうか!」「履き物はどれにしよう!」と、きっとソワソワ、ワクワクしながら身支度を整えていたのではないでしょうか。
 千代女はこの句で、いかにおめかしをしても、いざ月が出て、その清らかな光に照らされたならば、誰もが皆美しく見えると詠んでいます。素敵な句です。
 千代女が自然を慈しみ、その美しさを愛でる、心優しい人であったことがよく伝わってきます。子供の頃祖母が、朝顔に水をやりながら「朝顔に釣瓶(つるべ)とられてもらい水」と口ずさんでいましたが、千代女の代表的な句でした。懐かしい記憶です。

 「十五夜」また「中秋の名月」とは、空が澄み美しく晴れ渡る、9月中旬〜10月上旬に出る、最も美しいと言われている満月のことを言います。
 お月見は平安時代から始まったと言われていますが、江戸時代に入ってから、作物が月の満ち欠けと共に成長していくことから、「十五夜」は、秋の収穫を喜び感謝するお祭りとして現在に至っています。別名、「芋名月(いもめいげつ)」とも言われ、ススキと収穫した里芋や薩摩芋をお供えします。
 因みに今年の「十五夜」「中秋の名月」は9月21日(火)でしたが、鑑賞されましたか?私は事前に天気予報をチェックし、台風一過の19日、「十五夜」のイブイブから鑑賞していました。21日当日は、ベランダに秋の七草とお団子と薩摩芋を飾り、東南の空を見上げていました。午後7時頃、雲の間から、煌々と輝くスーパームーンのように大きい満月が厳かに静かにお出ましになりました。正しく「中秋の名月」。そして、少し離れた南の空に輝く一つの☆、多分木星だと思いますが、これまた美しく宇宙の神秘を感じさせてくれました。
 千代女の句のごとく、「十五夜」の月は、全てを浄化してくれるような神聖なパワーがあります。あまりにも神々しくお団子を食するのを止めました。
 
 ところで、「十三夜」があることをご存知ですか? 「十三夜」は、「十五夜」に次いで美しく、「十五夜」の後に巡って来ますので、「後(のち)の月」とも呼んでいます。
 この時期は、栗や豆が収穫できることから、別名、「豆名月(まめめいげつ)」や「栗名月(くりめいげつ)」とも呼ばれ、お豆や栗をお供えしてお月見を楽しみます。大切にしていきたい伝統文化です。今年の「十三夜」は10月18日(月)です。「十五夜」のお月見を楽しんだ方は、忘れずに「十三夜」も愛でましょう。「十五夜」を鑑賞できなかった方は、「十三夜」を楽しまれたらいかがでしょうか?

 緊急事態宣言は解除されましたが、未だ未だ気を許すことはできません。遠くにお出かけしなくても自然の情景は、私達の心を元気づけてくれます。月の美しい季節ですので、ベランダや庭先から月を眺めて、ほっと一息ついてみませんか? 千代女のように身近な自然に癒やされながらストレス解消をするのも一つの健康法かもしれません。
 そして、“名月をみながら、一句!”が出ればよいのですが・・残念ながら、たたいても出てきません・・・。
 
 テレビ番組の「プレバト」で有名な、俳人夏井いつき先生の本で勉強すれば、句が詠めるようになるのでしょうか?!
 夏井先生が、番組の中で出演者の俳句を添削なさると、とてもインテリジェンスな句に変身します。俳句は季節感や詠んだ方の思いが伝わる、何とも美しい短文(五.七.五)です。その短文から、状況や感情がしっかり伝わってくるのですから、言葉の芸術ですね。
 夏井先生のコメントは辛口ですが、素人ながら「なるほど~」と、表現の巧みさに感心と感動!いつか、「あのような俳句が詠めたらいいな~」とつくづく思います。
 日本には、川柳、俳句、短歌、等、言葉の芸術が沢山ありますが、嗜まれていらっしゃる方々の感性に、憧れと尊敬の念を抱きます。
 もっぱら私はサラリーマン川柳です。2021年度のサラリーマン川柳を、植田選抜でいくつか紹介します。
  ☆会社へは 来るなと上司 行けと妻
  ☆「出社日は 次はいつなの?」 妻の圧
  ☆倍返し 言えぬ上司に 「はい」返し
  ☆部下を褒め 妻に気遣う テレワーク
  ☆お若いと 言われマスクを 外せない
  ☆密ですと ますます部下は 近よらぬ
  ☆コロナ禍が 程よく上司を ディスタンス
  ☆リモートで 便利な言葉 “聞こえません!”
  ☆テレワーク 子供の参入 場が和み
  ☆抱き上げた 孫が一言 密ですよ
  ☆YOASOBIが 大好きと言い 父あせる
  ☆じいちゃんに J.Y. Parkの 場所聞かれ     等

 共感でき、ほのぼのします。世相や働く人の状況をユーモアたっぷりに詠んでいます。何よりポジティブです。
 “天高く、ウーマン肥ゆる 秋”(亜) ・・・お後が宜しいようで・・・

<プチ教養講座>
 地球から木星に最短距離で旅行すると仮定した場合、新幹線(時速300㎞)クラスの乗り物なら到着まで約224年、超音速機コンコルド(時速2,200㎞)クラスの乗り物で約31年かかります。星空を眺めていると宇宙の神秘を感じます。

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植田亜津子

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