レターNo.126「“物”より“想い出♪”」(2023年12月1日)

 1年間をしめくくる月、12月に入りました。
 皆様におかれましては、ご多忙の中にも活気溢れる日々をお過ごしのことと存じます。

 最近、ソニア・リュボミアスキー著の“リュボミアスキー教授の人生を「幸せ」に変える10の科学的な方法”を読みました。言われて久しい言葉“「物」→「心」→「こと」の時代”を実感しました。
 以前、「モノより想い出♪」というコマーシャルがテレビで流れていたことがありましたが、このセンスあるキャッチコピーは心理学的に正しいと思います。正確に言えば、“人を幸せにする”のは、「物」ではなく「経験」ということです。
 今回は、上記書籍を参考に「物」よりも「経験」にお金を使うほうが幸せになる理由を、まとめてみました。この1年を振り返る際に、お役立ていただけたら幸いです。

1.賢い消費は「物」より「経験」

 コーネル大学のトーマス・ギロヴィッチ心理学教授は、「物」を買うことと、「経験」を買うこと、による人間の気持ちの変化を20年に亘り、分析・研究してきました。
 その結果、目に見える物を買うことより、旅行等、何らかの「経験」にお金を使うことの方が、私達の心の中に幸せ感が持続するということが分かりました。

2.「物」より「経験」で幸せになる理由

 ①「物」を買って幸福度が高まるのは、ほんの一瞬
 私たちには、あらゆることに順応する能力(チカラ)が備わっています。それは「物」に対しても同じで、例えば、欲しかった物を手に入れた時は、満足度や幸福度が高まります。しかし、時間が経てば買う前の状態に戻ってしまいます。ルイヴィトンのバックや、車、家等、高価な物でも同じです。

 ②「経験」は社会的なもの
 買った物を誰かに見せたり、買った物について誰かに話をすることよりも、共に経験したり、追体験することの方がずっと人間関係を深めることができます。

 ③「物」よりも「経験」の方が、比較する機会が少ない
 家や車といった大きい物や、時計やハンドバッグといった小物も、その物を見れば、ある程度金額の見当がつきます。又、スペックのよさに魅力を感じ購入した物や、無理して買った高価な物も、同僚が同じシリーズで1ランク上の物を持っていたり、更に最新のものが発売されると、喜びは減ってしまうかもしれません。

 ④「経験」は比較しにくい
 比較は良くないと分かってはいても、「物」は目に見えますので、つい比較してしまったり、“あっちにすれば良かった”や“焦って買わなければよかった”等と、後悔の気持ちを抱くことがあります。しかし「経験」はそうはいきません。週末、温泉でのんびり過ごした同僚と、趣味のマラソンで自己ベストを更新した自分と、どちらが幸せか?!仮に比較したところで、記録を更新した喜びは薄れません。

 ⑤「経験」は時と共に価値が高まる
 「物」は、時間の経過と共に古くなり、満足度が下がったり、飽きてしまったりして、別の物と交換したくなることもありますが、「経験」は古びません。むしろ時が経つにつれてその記憶は価値ある経験として醸成されていきます。
 仕事での難しい課題や困難な状況を、努力や忍耐の末に乗り越えた「経験」は、成長感や自信の源になっていきます。このように、過去の経験とその想い出(記憶)は、人生をより豊かにしてくれるのです。

 ⑥人は「経験」できている
 人生は、様々な「経験」の積み重ねでできているものであり、「物」を「足し算」したものではありません。また、人は「経験」に対して感情移入しがちで、他のものと交換できるものでもありません。「物」は私たちの体の外部にありますが、「経験」は私たちの心や記憶の中にあり、次第に価値が上がっていきます。

 ⑦物質的になり過ぎると、他の幸福を損ねる
 物を手に入れることに熱心になり過ぎると、犠牲にするものが大きくなります。物質的なものを優先する人は、そうでない人よりも、人との関りが弱く、不安を感じることが多くなり、そのために、人から好かれることが減ってしまうと言われています。経済的な成功にこだわる人ほど、家庭生活で満足を得られないということも報告されています。

3.幸福をより大きくする「経験」のコツ

☆大きな喜びを1回ではなく、小さな喜びをたくさん!
 お金をかけず幸福度を高める方法は、数多くのポジティブな経験をしながら気分を高めることです。1週間に1度か2度、ささやかな楽しみの時を自分に与えることで、人生はより満足できるということです。
 
 この1年、皆様は色々な「経験」をなさっています。お仕事の成功や失敗、家族や友人のお誕生日のお祝いや、趣味・旅行・スポーツ・習い事・バーベキュー・新しいお料理への挑戦・セミナー参加等は、全て価値ある経験です。日々の「経験」を充実させていくことこそが、幸せな人生を送る秘訣ということです。
 「私はお金はないけれど、人一倍色々な経験を積んでいるヨ!」上等!!

 本年も大変お世話になり感謝申し上げます。気ぜわしい時期でございますが、行く年を惜しみながらも、新しい年に希望を馳せ、幸せを感じる時間をたくさん作れますよう願っております。

LOVE
植田亜津子

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