レターNo.110「本当に“やさしい”人」(2022年9月1日)

 今日も朝から、盛んに蝉時雨(せみしぐれ)が降り注いでいますが、夕暮れ時に耳を澄ますと、虫の音のコンサートが始まっています。風情をもたらす虫の音も、夏の蝉から秋のコオロギや鈴虫へと主役交代です。
 童謡の「虫の声」を覚えていますか? 5種類の虫の鳴き声が登場しています。
 ♪ちんちろちんちろ ちんちろりん♪   松虫
 ♪りんりんりんりん りいんりん♪   鈴虫
 ♪きりきりきりきり♪   こおろぎ
 ♪がちゃがちゃがちゃがちゃ♪   くつわ虫
 ♪ちょんちょんちょんちょん すいっちょん♪   馬おい
 今夜聞こえてくるのは、どの虫の鳴き声か、オーケストラに耳を澄ませ、去りゆく夏を惜しみましょう。

 最近、年令や性別に関係なく、気になる言葉の使い方をする人がいます。自分の思いや意見をはっきり言わない、語尾をぼやかす話し方、感受性の違いがあっても、自分を出さないような話し方、反対意見を述べる時も、曖昧な話し方をするのです。
 お互いが傷ついたり、気まずい思いをしないように気を遣っているのでしょうか?!

 例えば、相手が「Aが好き」と言った時、自分の好みがBであった場合「私はBが好き」とは言わず、「私は、Bが好きかも・・」や、相手の提案を受け入れ難い時、「私は無理です」とは言わず、「なんかちょっと無理っぽい」や、C案とD案をどちらにするかを話し合っている時、「私はD案がいいです」とは言わず、「私はD案の方がいいかな、みたいな・・」等と、曖昧な話し方をするのです。
 なぜでしょうか? これを、お互いが傷つかない「やさしさ」というのでしょうか?話している方も、聞いている方も、圧力がかからないので、気持ちが「楽」?!
 この気遣いを「やさしさ」と言うのであれば、「やさしさ」なのかもしれませんが、職場や、身近な間柄で、このような気遣いをするのなら、とても寂しいですし、残念です。
 因みに、私は上記のような話し方をされると、「〇〇さん、今の発言ですが、〇〇と言うことですか?」と、聞き直し、確認します。なぜなら、この曖昧さがトラブルの元になると思うからです。

 また、職場でも、家族でも、仲間同士でも、望ましく無い行動をとっている人に、内心は「それはよくない」思いつつも、「あなたがそうしたいならいいんじゃない」と、ホンネと裏腹の言葉を使い、否定しないのです。見て見ぬふりもします。これも、“傷つけない、傷つかない”「やさしさ」なのでしょうか? 
 例え、相手を傷つけても、気まずくなっても、はっきりと「それはダメだよ、やめた方がいいよ」と注意する人もいます。どちらが「やさしい人」でしょうか?

・注意をしない上司や先輩は、「やさしい」ですか?
・お友達親子を演じる親は、「やさしい」ですか?
・何でもしてくれる親は、「やさしい」ですか?
・自分に耳障りのよい言葉を使ってくれる人は、「やさしい」ですか?
・ぶっきらぼうな恋人は、「やさしくない」ですか?
・自分の意見をはっきり言う部下や後輩、友人は、「やさしくない」ですか?
・あなたは、直ぐ「傷ついたり」「落ち込んだり」しませんか?
・あなたは、簡単に「傷ついた!」「落ち込んだ!」等を、言動に出していませんか?
・あなたは、言葉にならない「やさしさ」があることを知っていますか?

 「傷つけない」という「やさしさ」が価値を持つ今の日本社会。職場内、家庭内で、ただの保身やぬるさを「やさしさ」と勘違いしていては危険です。見せかけの「やさしさ」があることを知っていますか?
    本当のやさしさは、相手に対する寛容さを伴います。
    本当のやさしさは、自他への厳しさを伴います。
 
 蝉の鳴き声も、秋の虫の声も、全部音色が違います。「集団」から「個」の時代、自分の思い・考えは勇気を出してはっきり伝えましょう。そして、人の意見もしっかり聞き、異なった意見に対しては、お互いを理解し合えるようにセッションをしましょう。
 きっと、職場に、家庭に、仲間同士に、素晴らしいオーケストラが誕生します。安心と自由を感じながら のびのびと自分という楽器を奏で、秋の夜の虫の音のように、やさしいハーモニーが流れます。

 季節の変わり目、体調を崩しやすいです。呉々もご自愛のうえ、引き続きのご活躍をお祈りしております。

LOVE
植田亜津子

 

追記:<ビジネスマナーインストラクター研究会より>
☆「Webモーニング交流会」を実施します
・日時:9月3日(土)10:00~11:30
・使用媒体:Zoom
・モーニングコーヒー片手にざっくばらんにお顔をみながら情報交換を行いましょう。お気軽にご参加くださいませ。
 参加希望者はメールor電話でご連絡ください。URLを記載した 招待メールをお送りします。

 

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