レターNo.133「雨の日曜日」(2024年6月1日)

 雨に濡れた紫陽花やクチナシの花が、一際鮮やかな季節になりました。インストラクターの皆様におかれましては、お元気にご活躍のことと拝察申し上げます。

 ところで、雨の日曜日は、皆様はどのようにお過ごしですか? 
 私は、日曜日が雨ですと、昔から「フレンチトースト」を作りたくなります。単にトーストからフレンチトーストに変わるだけのことですが、日曜日が雨ですと、気持ちが落ち着くせいか、ゆっくりとした非日常的な時間を過ごしたくなるのです。
 フレンチトーストの存在をいつ頃知ったか、記憶はさだかではありませんが、言葉の響きや、見た目、その食卓風景には惹かれるものがあります。
 
 フレンチトーストというと、高級ホテルの朝食メニューで、おしゃれで優雅な雰囲気が浮かんできたり、映画「クレーマー・クレーマー」で、ダスティン・ホフマン演じる父親が、息子のためにフレンチトーストを作るシーンを思い出します。イヤイヤ、古いですね~、皆様ご存じですか?
 フレンチトーストの作り方はいたって簡単で、時間をかけず、すぐできます。卵、牛乳、砂糖を混ぜた液に食パンを浸し、バターで焼くだけです。失敗はなく、それなりに美味しいのですが、私の場合、なかなか理想とするフレンチトーストが焼けません。打率は3割。

 理想とする「フレンチトースト」の条件は、パンはバターでこんがりふんわり焼けていること、パンに浸っている卵と牛乳は、柔らかなプリン状態になっていること。それに、シナモンとはちみつをかけ、香り高い紅茶やコーヒーと一緒にいただくのです。“ホームラ~ン”です。

 何とかして、打率を上げようと“ハテ?”“こうやってみたら?”とキッチンで実験を繰り返しています。ある時、上手くいかない原因は、大好きな卵にあるのでは?!と、遅まきながら気付き、思い切って卵の分量をいつもより少なくした液をつくり、食パン(フランスパン)にたっぷり浸し、オーブンで焼きあげてみました。ふっくらこんがりと焼けたフレンチトーストをお皿に盛ってからバターをのせ、はちみつをかけてみました。ホームランにはなりませんでしたが、“3塁打”位のできでした。その時は、フライパンを使わずオーブンで焼きました。フライパンを使う時は「蓋」が必要です。
 
 その後も、牛乳を豆乳に替えてみたり、お砂糖やパンの種類を変えてみたり、実験は続いています。卵の分量が多いと卵焼きのような硬めフレンチトーストになります。卵の分量が少ないとふっくら柔らかく焼き上がります。アレンジした時は、その素材の風味がよりハッキリ伝わります。例えば、季節の果物の搾り汁を牛乳に混ぜて焼き、果物をたっぷり添えると“ハワイアンフレンチトースト”といった具合です。
 先日は、卵薄めの液にココアを入れ焼いてみました。ふんわり焼けたフレンチトーストの上にバニラアイスクリームをのせ、ココアパウダーを振りましたら、“なんちゃってティラミス???”。ココアを抹茶にかえたら、“和風抹茶フレンチトースト”、生クリームをたっぷり添えてみました。美味しかったです。付け合わせはお好みで! 
 最近のお勧めは、軽く焼いたフレンチトーストの上に、とろけるチーズをのせ、再度オーブンで焼き上げます。とろけたチーズの上にはちみつをかけたら、“チーズフレンチトースト”の出来上がりです。是非、厚切り食パンで作ってみてください。ハムやベーコンを添えると、ボリューミーでブランチや昼食にピッタリです。
 
 フレンチトーストの材料はどこの家にもあり、しかも簡単に作れますし、拘らなければ、失敗はありません。皆様の美味しいフレンチトーストを、是非教えてください。楽しみにしております。
 雨の日曜日に限定して、フレンチトーストカフェを開いたら楽しいでしょうね! 

 梅雨のシーズンに入り、しばらく鬱陶しい日々が続きますが、どうぞ明るく爽やかな気分でお過ごし下さい。

LOVE
植田亜津子

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